【2022.07.14】建設コンサルタント各社の最新ニュース 長大が日本初の「空飛ぶクルマ」の海上飛行による実証実験を実施

建設コンサタント

 長大が日本初の「空飛ぶクルマ」の海上飛行による実証実験を実施したニュースを発表していますので紹介します。
 建設業界では、ドローンを活用して測量を中心とした地形計測、構造物計測、構造物点検、変状計測、被災状況把握など多くの場面で利活用が進められてきています。
 道路・交通分野では、自動運転技術の開発・実用化に向けて一段と加速しています。その一歩も二歩も先をいく技術が必要な空飛ぶクルマです。
 どのような実証実験が行われたのか知りたいので、調べてみました。

空飛ぶクルマは鉄腕アトムの世界

 空飛ぶクルマと云えば、昔は鉄腕アトムの世界観です。次代を担うZ世代は鉄腕アトムというアニメは観たことがあるのでしょうか?鉄腕アトムは1963年(昭和38年)にTVアニメとして放映されていました。筆者は、まだ小学生にもなっていません。自宅にテレビもなかった貧乏家庭でしたので、リアルな視聴はしていないです。テレビでみたのは、再放送か再々放送でしょう。
 YOUTUBEに「手塚プロダクション公式チャンネル」がありますのでチラッと見てもらえば分かりますが、60年前にこんな社会インフラを想像できたのはすごい想像力です。

 第一話は鉄腕アトムの誕生です。天馬博士の息子トビオが運転している車には既にタイヤが無く宙を浮いた空飛ぶクルマとなっています。
 車の高速スピードを表現するためにタイヤを描かなかったのでしょうか。カーブするときはタイヤのきしむ音のようなものが聞こえるし、事故で車が大破した破片にタイヤらしきものが写っていたりしています。
 手塚先生でも、まだこの時代においては交通事故は避ける技術についは想像されなかったのでしょうね。 

 現状、「空飛ぶクルマ」は、まだまだ現実的ではないのでしょうが、10年後には自動運転の車が当たり前になり、20年~30年後には空飛ぶクルマは当たり前の世界になるのでしょうか。そんな世界の社会インフラである道路や橋梁そしてトンネルという構造物はどのように進化していくのでしょうか。そんな時代に土木技術者はどのような対応をしていくのでしょうか。現役世代の土木技術者にとっては気になりますね。

長大が日本初の「空飛ぶクルマ」の海上飛行による実証実験を実施

 長大は、2022年7月6日に広島県福山市の横島にある「シーパーク大浜」にて、日本初の「空飛ぶクルマ」の海上飛行による実証実験を実施しました。長大の広報記事
【実証実験概要】
 日程:2022年7月6日(水)
 場所:広島県福山市 シーパーク大浜
 主催:人・夢・技術グループ株式会社、株式会社長大
 協賛:一般社団法人MASC、EHang(亿航)
 協力:株式会社グローカルジャパン、株式会社大浜M&L

【本実証実験の主な目的】
1.初めて海上を飛び、ルールや制約としても問題がないか検証する。また、どのように飛ばすかをイメージし、まちづくりの一つの手段として展開を検討。安全性確保や環境保全が最優先とし、その上で離島や過疎地域の交通困難者を救えるような展開を目指す。
2.「離島間のヒト・モノ移動」、「遊覧や離島ホッピングなどの娯楽・観光」を想定し、美しく風光明媚な瀬戸内海での海上飛行を、自治体、企業、学生に体感して頂き「空飛ぶクルマ」の社会受容性を向上させる。
3.広島県下で初飛行となる当会場にて、機体に触れる体験に加え、離発着場のコンセプトやその模型、VR映像等の関連コンテンツ(第7回 Japan Drone 2022 / 第1回次世代エアモビリティEXPOにて出展 )を展示することで、より身近な町中に「空飛ぶクルマ」が離発着する未来を感じて頂く。
4.今後の「空飛ぶクルマ」事業展開に向けて、海上飛行による事業・サービス内容、および検討課題などを調査・分析する。

 【実証実験】
 本実証実験では、中国広州市の機体メーカー「EHang」の機体を使用しました。機体は、横島の海岸を垂直上昇し、因島大橋方面に向けて海上へ進み、海岸と並行に300m飛行の後、旋回して離発着地点に戻る合計約600mのフライトを行いました。

実験中の動画

 どのような実験か長大のHP見てもよくわかりませんでした。映像を見たくてネットを調べたらいくつかのメディアが報道している映像がありましたのでリンクしておきます。

広島唯一のラジオ・テレビ兼営放送局「RCC」が運営する、第3のメディア IRAW by RCCが報道した記事があります.

時事通信社の動画

山陽新聞

遠隔操作で無人での飛行実験でした。
少し浮上してホバリングして着陸する様子が写っていました。
操縦席に試乗していました。

【感想】
 大きなドローンで人が載せられますよ。といった雰囲気の空飛ぶクルマです。
 海上なので高度が低ければ有人でも良さそうな気がするのですが、事故が起きたら危険というレッテルが張付けられるので慎重に実施したのでしょうね。
 目的に沿った実験結果が得られたのでしょうか。
 うーむ。って、印象です。
 メーカーの宣伝になっていない?

長大は空飛ぶクルマに傾注?

 長大のニュースを観ていると6月16日に下記の記事もありました。

 空飛ぶクルマの取り組み(PDF)・・・長大の意気込みが分かります

 「空飛ぶクルマ」および「物流ドローン」を開発する株式会社SkyDrive株式会社長大株式会社大林組の三社協働で、「空飛ぶクルマ」離発着場モデル作成を推進することをお知らせいたします。

SkyDrive社、長大、大林組とともに「空飛ぶクルマ」離発着場モデルの設計プロジェクト始動

 SkyDriveは空飛ぶクルマを開発している企業です。広島で実施した実証実験は中国製の空飛ぶクルマを使用していますが、せっかくSkyDriveと連携しているならそこのコンセプトカーを利用してほしかったですね。

         出典:SkyDrive社 https://skydrive2020.com/air-mobility

  恰好が良いですね。未来を感じさせるコンセプトカーです。
  

まとめ

 長大が日本初の「空飛ぶクルマ」の海上飛行による実証実験を実施した。ということで、かなり期待したニュースだったのですが、遠隔操作での実証実験であったこと、中国製の空飛ぶクルマを持ってきて飛ばしてみた感が強いことから少し残念な印象のニュースでした。
 実証実験をしたのだから、実証実験に対する検証結果が少しでも記載されているのかなぁ。って、期待したのですが、1行も書かれていませんでしたね。手始めであり、これからに期待しましょう。
 長大では、これまでのITSに関わる制度整備実績、道路ネットワーク計画実績、ドクターヘリ用のヘリポート設計実績、オンデマンドバスの運行の実績、PPPの実績など企画段階から運営段階までの実績を強みとして空飛ぶクルマ社会実装実現に向けての取り組みを示しているので、将来を見据えた技術者の養成や技術開発が期待できそうです。

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